2023年度 理事長所信

【スローガン】
Next One 〜他が為に、未来を拓く〜

【基本理念】
志を立て、心を磨き、知見を深め、仲間と共に実践する。
そして、公に身を尽くす。
我々の成長は、地域を輝かせるための起点となり、
過去から現在、そして未来へと続く希望となる。

【基本方針】
・未来を描き、利他の心と公の志を持つ人財の育成
・組織の発展へとつながる共鳴の連鎖
・地域との連携が生み出す政策の展開
・次代の可能性を切り拓く運動の推進
・多様な人財が彩る持続可能な地域の創造
・つながり溢れ、輝く組織
・強く、やさしく、そして新しく

【プロローグ】
平塚青年会議所には「人が育つ」文化が根付いている。そこで得た成長が、利他の心を生み、やがては公に身を尽くすようになる。このような意識変革が起こる団体を、私は他に知らない。この文化こそ、連綿と続く青年会議所の最大の価値であり、長い歴史の中で先達が築いてくれた最高の資源なのである。故に我々は、この資源をしっかりと享受し、自らの成長に昇華させ、地域に還元する責務がある。そして、この素晴らしい文化を次代へと繋ぎ、利他の心に富んだまちづくりの担い手を地域に輩出し続けていくことこそ、明るい未来を目指す、我々青年会議所の使命であり、組織の存在意義なのである。

【はじめに】
2022年度は神奈川ブロック協議会会長の輩出、神奈川ブロック大会の主管など、たくさんの素晴らしい機会に恵まれました。ここで得た経験をメンバー自らが成長へと昇華させ、組織の発展に繋げられるか否かは、2023年度の運動にかかっていると言っても過言ではありません。2019年度に「60周年運動指針」が示され、2022年度にはそれを具体化した「地域ビジョン」が策定されました。これにより、我々が次に目指すべきゴールは明確になっていますが、今後は、ビジョン達成に繋がる運動を具体的に創っていかなくてはなりません。そのためには、メンバー一人ひとりが、目的を共有し、強い参画意識をもって活動していく必要があります。強い参画意識は揺るぎない成長をもたらします。その成長が、組織の発展に繋がり、冒頭に記したような好循環を生み出します。2023年度はすべての機会を研修の場として捉え、個の成長と組織の発展を強く結びつけることで、未来を切り拓く、力強い運動を展開してまいります。

 

【未来を描き、利他の心と公の志を持つ人財の育成】
ここ数年で時代は大きく変化しました。急速なオンライン化、緊迫する世界情勢、経済の先行き不安など、世の中を覆う閉塞感は拭いきれません。しかし、このような時代だからこそ、未来を描き、利他の精神を以って、公に身を尽くせる人財が地域には必要なのではないでしょうか。焦土と化した日本を見つめ「新日本の再建は我々青年の仕事である。」と志を立てた青年会議所創始の理念。この一文には、青年会議所運動の本質が込められています。大きくリスタートを切れる2023年度だからこそ、今一度原点に立ち戻り、運動の意味を理解し、自己の成長を他のために惜しみなく活かせる人財の育成を目指します。我々の組織には、人が育つ土壌がしっかりと整っています。それは、先達が築いてくれた文化であり、唯一無二の組織資源です。この組織資源を磨き続けることが、組織の発展へと繋がり、ひいては地域での存在意義を高めていくことにもなります。様々な機会に挑戦する中で成長し、さらにその成長を恩送りのように次に繋いでいく。この鮮烈な好循環を、改めて組織内に根付かせてまいります。

【組織の発展へとつながる共鳴の連鎖】
組織が持続的な発展を遂げるためには、メンバー一人ひとりの成長はもとより、絶えず多くの仲間を募る必要があります。特に40歳で卒業という制度がある青年会議所は、少しでもメンバー拡大を疎かにすると、瞬く間に組織存続の危機に陥ります。しかし、組織の存続という側面だけに捉われていると、拡大活動を運動へと昇華させることはできません。地域にまちづくりの担い手を絶え間なく輩出し、「明るい豊かな社会」の実現に向けて寄与し続けるメンバーを増やすことにこそ、拡大運動の本質があるのです。そのために必要なのは、いかにして人との共鳴を起こせるかです。青年会議所の運動も、創始は遠いアメリカの地において、一人の青年が立てた志から始まりました。その志が共鳴の連鎖を生み、多くの人の心を行動へと駆り立てたことで、今の青年会議所が存在しています。強い志を持ち、ひたむきに頑張っている人の姿は、美しく反響し、やがては周りの人々の心を震わせます。その響きを、組織、そして地域に広げていくことで、あらゆる垣根を越えた、共鳴型の拡大運動へと繋がっていくのです。

【地域との連携が生み出す政策の展開】
平塚青年会議所は長い歴史の中で、まちづくりや政策にコミットした事業を数多く展開してきました。その根底にあるのは、地域の明るい未来を望む強い志、加えて課題に対して果敢に挑戦し続けるという我々の矜恃です。SDGsにより持続可能な社会というキーワードが叫ばれる中、我々は自らが住み暮らす地域に対しても、持続可能性を考えていかなくてはなりません。そのためには行政や商工会議所、地域団体など様々なステークホルダーと連携し、我々の強みを活かした政策を展開していく必要があります。近年も多くの事業を実施してきました。最大の地域資源であり、我々も深くコミットしている七夕事業、中心商店街の活性化事業、学生との連携事業。しかし、これらの事業が未来につながる政策としてしっかりと地域に提案できているかと言うと、具体性や展望が課題となっています。2023年度は、改めて地域の持続可能性という観点から運動を見直し、地域との連携と実践による、多角的な根拠をもった政策を進めてまいります。

【次代の可能性を切り拓く運動の推進】
今、若者を取り巻く環境は過渡期を向かえています。急激なICT活用による現場の混乱や、新型コロナウイルス感染症拡大により奪われた大切な時間。さらには連日報道される重苦しいニュースなど、未来に対し、希望を持ちづらい状況が続いています。こんな時だからこそ、我々地域の大人が立ち上がり、若者に限りない可能性を示し、未来に対して希望をもってもらうことが必要なのではないでしょうか。2017年度より始まった「ひらつかスクール議会」。高校生を対象に、次世代リーダーの育成を目指したこの事業は、その目的や手法を少しずつ変えながらも、継続事業として展開してまいりました。2022年度は、対象を中学生に変え、さらには企業との連携も図ることで、より地域に近い事業として進化しています。今後の教育において、地域と学校の連携・協働が重要性を増すのは間違いありません。時代が大きく変化する今、我々だからこそできる繋がりを活かした協働のあり方を創出し、若者の未来を切り拓く運動を推進してまいります。

【多様な人財が彩る持続可能な地域の創造】
多くの地域で課題とされる人口減少。我々が活動する、平塚市、大磯町、二宮町においても例外ではありません。人口減少は地域全体の活力低下に繋がり、財政面を含め、様々なマイナス要因を生み出します。日本全体がこのような状況の中、人口を増加に持っていくのは現実的に難しいことです。しかし、だからと言って手をこまねいていれば、地域が衰退していくのは明らかでしょう。それならば、まちづくりの担い手を増やし、一人ひとりが地域に対しての意識を高めていくことで、活力を上げ、持続可能な地域を創造していくべきではないでしょうか。そのために、この地域に住まう多様な人財にスポットを当てる必要があります。我々は、「神奈川ブロック大会平塚大会」の誘致において、文化・芸術の可能性に触れ、LOM事業を通じてそれを体現してまいりました。この分野は、多様な人財が活躍できる共通言語として限りない可能性を秘めています。2023年度もこの運動に継続性を持たせ、地域に新たな彩りを加える新しい事業を展開してまいります。

【つながり溢れ、輝く組織】
組織が最高のパフォーマンスを発揮するためには、メンバー個人の成長に加えて、仲間とのつながりを強めていくことが何よりも大切です。一人では決して辿り着けないようなゴールも、仲間が集い、そこに計り知れないパワーが生まれるからこそ、我々は果敢なる挑戦心を持つことができ、様々な運動を実践して来られたのです。また、このつながりは組織内部のものだけに止まらず、我々が活動する地域、そして全国の同志とも結びついています。青年会議所だからこそ持てるこのネットワークは、かけがえのない財産です。この強みを活かし、組織をさらなる発展に導くことこそ、次代の運動を推進するために必要なミッションなのではないでしょうか。つながりを実感することは、メンバーが組織に対してさらなる魅力を抱くきっかけにもなります。青年会議所が持つ様々な機会を活かし、積極的にコミットしていくことで、メンバーがもっと青年会議所を好きになり、その想いを組織の力に変えていくことで、つながりに溢れた輝く組織を構築してまいります。

【強く、やさしく、そして新しく】
青年会議所が勇猛果敢に運動を展開できるのは、長い歴史の中で受け継がれてきた厳格な運営と、お互いを支え合うメンバーの強い仲間意識があるからです。ルールがあるからこそ、我々は組織の中で成長することができ、想いを共有できるからこそ、一致団結して運動を推進することができます。この強さとやさしさを備えた組織運営は非常に強固なものですが、同時に時代の変化を捉え、新しいことに挑戦をしていかないと組織は衰退してしまいます。特に現在、多様なメンバーが在籍し、それぞれが大切な時間を投じて青年会議所活動に参加しています。だからこそ、改めて時間の重みを認識し、時間対価値を最大限に高めていく、そんな組織運営が求められます。ここ数年の世情は、社会のあり方も大きく変えていきました。特に、情報の発信や共有に関してはまさに日進月歩です。常に新しい技術や手法にアンテナを張り、組織に提案していくことで、運営と運動の活性化をはかります。そして、強さとやさしさ、さらには新しさを兼ね備えた、しなやかな組織を創ってまいります。

【結びに】
私は青年会議所の可能性を強く信じています。

何も分からずに入会したメンバーが、気づいたら地域のために汗を流している。そして、たくさんの仲間と共に、未来を語るようになる。青年会議所では当たり前に思えるこの光景は、実は奇跡のような出来事なのだと思います。私も、そんなメンバーのひとりでした。未熟な私ではありましたが、多くの人と出会う中で利他を学び、公に尽くすことの尊さを学びました。そして、たくさんの可能性に触れる中で、導かれるようにここまで歩むことができたのです。

人が変われば、地域が変わり、やがては未来をも変えてゆく力になります。

すべては人が起点です。

そして人が変われるチャンスが、ここには無数に存在しています。

青年会議所は、活動に本気で向き合った人を裏切ることはありません。真剣に取り組めば取り組むほど、多くの宝物を与えてくれます。それは生涯の友かもしれないし、洗練された高い志かもしれません。いずれにしても、私がこの場所で、私だけのストーリーを描けたように、皆様にも自分だけの、素晴らしいストーリーを、ここ青年会議所で描いて欲しいのです。

そのために、あらゆる機会を皆様にお届けできるよう、
私自身が誰よりも己を律し、
全身全霊を賭して青年会議所活動に取り組んで参ります。

一人ひとりが輝きを放ち、未来を照らす光となれるよう、
そして、次代に向け、この地域に彩りある希望を残せるように。

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